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BOLERO
BOLERO
Mr.Children
定価: ¥ 3,059
販売価格: ¥ 2,753
人気ランキング: 1338位
おすすめ度:
発売日: 1997-03-05
発売元: トイズファクトリー
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
前作の『深海』が内に向かうエネルギーだとすると、本作は正反対の外へ向かうエネルギーとしてとらえることができる。ほか、アルバムの半分ほどが大ヒットシングル曲。ほかの曲もミスチルファンの間で評判の高い名曲ぞろい。
聴きやすさと、お得感もあって水準の高いアルバムに仕上がった。ミスチルビギナーにまず聴いてほしい1枚である。アルバム全体の軸となる「夢も希望もないけれど、でも生きていくしかない、生きていこう」という内省的で、かつ前向きな気分はに最も強く投影されている。(生野 舞)
混沌からの脱出
このアルバムほど、厳しい評価を受けたアルバムはないかもしれません。
94?95年に発売された四枚のシングルが、97年リリースのシングル「Everything(its you)」を初めとする8曲と混ざっていたからです。
それぞれが一時代を築き、何らかの記念である露出度の高かったシングルだったこともあり、セールスとしては、深海以上、「Atomic heart」に次ぐセールスを記録しましたが、
アルバムの新曲とはどうしても、距離や方向の差が出てしまうものでした。
では、その距離や方向の差とは何だったのでしょうか。
「なんてヒューマン 裸になってさ 君と向き合ってたい 栄冠も成功も地位も名誉も たいしてさ 意味ないじゃん」(【es】)
「なりゆきまかせの恋に落ち時には誰かを傷つけてもその時心痛めるような時代じゃない 誰かを思いやりゃ仇になり自分の心に突き刺さる」(名もなき詩)
「やがて全てが散りゆく運命であっても 分かってるんだよ多少リスクを背負っても手にしたい 愛・愛」(花)
Mr.Childrenのシングルがミリオンを連発していたころ、ドラマチックな曲調もさることながら、この混沌とも言えるような、
激しい転調を好きだと感じていた人って多いんじゃないでしょうか?
「Everything(it's you)」というシングルでは、転調こそあるものの、そこに乗っかる歌詞、
答えにならないモヤモヤ、激しい憤怒、満たされない無垢をはき出すように歌う姿勢が、不思議なほど出てこないのです。
それどころか、この作品以降の彼らの曲は「混沌」を感じさせるような転調そのものが徐々に姿を消し出します。
「es」も「Tomorrow never knows」も「everybody goes」も様々な問題を抱えながらそれを解決するでもなく、
内世界と外世界とを漂う歌詞になっていたのですが、このアルバムでの新曲達は内世界と外世界をつなぐ入り口、
あるいは一直線の光の射す出口を導き出す歌詞へと変化していったのです。
その核となったのが、「ALIVE」と「ボレロ」。小林武史が、「us and them」と言う曲に対し、
ラヴェルの「ボレロ」のように、メロディの繰り返しを発展させ、だんだんだんだん大きくなっていくのがいいんじゃないか、と言うアドバイスをし、
そこから行ったリハを聴いて、桜井和寿がこれだ!と新しい可能性を感じたのだそうです。
「Alive」は一見救いの無いような暗い曲で、メロディアスな線こそ持っていませんが、
そこにはボレロと言う曲が持っていた「クレッシェンド」と言うエッセンスが、歌詞に変換された形で存在しています。
「タイムマシーンに乗って」についてのインタビューで「あまりにもバカバカしいロック感が潔くていいなと(桜井和寿)」と言う受け答えがあるのですが、
同じようなタイプの「傘の下の君に告ぐ」や、官能的な愛を感じさせる「ボレロ」「Blandnew my lover」にしても、
そして「ALIVE」や「幸せのカテゴリー」にしても思春期的な不安定に漂う物は排除されて、
一種の破れかぶれのような、あるいは達観のような、潔い歌詞です。
言い換えれば、「大人になり切れない思春期的なもの」、それ故に幅広く受け入れられたのが、
そこから答えを見つけたために、より生々しく具体的で、(人によって)感情移入できない入れ替え不可能なものに変わったとも言えるのではないでしょうか。
深海が「ファンであるための踏み絵」と表現されていましたが、「BOLERO」以降(具体的には「It’s a wonderful world 」まで)の作品の方が
よりリスナーを選ぶアルバムであると思います。
その曲達を聴くと、どうやっても桜井和寿と言う人間を浮かび上がらせてしまうからです。
ところが、例えば僕は「Everthing(it’s you)」の歌詞に、ある時期の自分の気持ちそのもの全てをずばり言い当てられてしまったような思いをした事があります。
感情移入しやすかった筈のそれまでのシングル以上に、それ以降のシングル(やカップリングやアルバム曲)には心を響かせる力を持っていると思っています。
桜井和寿、ひいてはMr.Childrenの真価はここから発揮されている、のではないでしょうか。
なお、四曲の大ヒットシングルがアルバムのバランスを欠く感がある一方で、それぞれ思い出を映し出すような魅力を持ち、
ともすれば生々しすぎる今アルバムの一服の清涼剤のように感じ、ホッとさせられたと言うことも追記しておきます。
底力
アルバムトータルとしての完成度というか、通して聞いたときの
統一感は希薄ではあります。
しかし、それぞれの楽曲の個性はものすごいものがあると思います。
4に、「快楽の奴隷にして」、「○ァックする豚だ」という箇所があります。
ミスチルでここまで思いを叩きつけるのは当時珍しかった。
こんな歌もつくれる底力に震撼した覚えがあります。
とはいえ、「All I want is you」と、結局おめーに溺れるしかねーんだよ
という男の性を正直に告白しています。かっこいいぞ、桜井!!
この歌聴いていると、谷崎潤一郎の「痴人の愛」の主人公譲治の為に作られたのではと
つい思ってしまいます。
9もかなりいいです。社会人になってからは特に身にしみてくる。
「魂は燃え」てきますぜ。この前向きさ、尋常ではない。
編曲、メロディから、砂漠で聞くのが似合う曲だなあと勝手に思っています。
と考えると、アフガンやイラクの方たちに是非聞いて欲しい曲でもあります。
今、聴きなおす価値のある曲かなあと思います。
11。なかなかはまらせてくれました。
クラシックのボレロと同じく、だんだんと音が増えていきます。
それとともに、歌い上げる声も力強くなっていくのです。「まるでやまーい」のように、
ついリピートして聞いてしまいます。
シングルの曲も良いには良いんですが、上の三曲が高校生だった僕の
心に突き刺さり、しょっちゅう聞いていました。
「幸せのカテゴリー」も韻踏んでておもしろい。
カラオケでヒーローになる為、(シングルの曲を)練習用に聞いてもよし、
(それ以外を)味わう為に聞いてもよし、というふしぎなアルバムです。
最近の完成度が高まったアルバムと比べると、不満に思うかもしれませんが、
きらめく曲に出会える可能性高し。ミスチルはやっぱすごい。
無機質的アルバム
深海は全体の流れを重視した暗いアルバムだったが、このアルバムはまったく逆の、深海の流れに合わなかったシングル達が放り込まれた無機質なアルバムである。大ヒットシングルがたくさん収録されているのはいいが、アルバムを聞き終えた後に疲労感がたまるのは頂けない。
よって星4個。
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